[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    : 「焦ってなどいない!これは決着だ!」

「石仮面の為に死んだ俺の爺ちゃんと!お前の祖父の代からの因縁に決着を付ける!」

[メイン3]    : 「俺は奴をぶっ殺す!」

[メイン3]    : 「決着だと!?テメェ!ジジイがどうしたってんだ!」

「くだらねぇぜ!50年前の死人なんかを持ち出すな!このバカ!」

[メイン3]    : 「なんだと……!ジョジョォ!」

[メイン3]    : 「会ったこともねぇ先祖の因縁なんかクソ喰らえだスカタン!」


「そんな事でテメェが死んだら間抜けだぜ!このアホが!」

[メイン3]    : 「言ってくれたなぁ!ジョジョォォォォォ!!」

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    : 「……すまなかったな、シーザー…お前の一族への気持ちに悪口なんか言ったりして…」
「そんなお前が罠があるのを知っててあえて戦うというのなら……」

[メイン3]    : 「………………」

[メイン3]    : 「カーズを倒す作戦も必ずあるのだろう…気が変わったぜ!」
「昼間決戦を挑むというのなら!俺も一緒に乗り込むぜ!シーザー・ツェペリ!」

[メイン3]    : 「…………行くぞ……ジョジョ!」

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    : 「満足だ…久しく満足なる戦いだった…波紋の戦士達よ………」

[メイン3]    :  

[メイン3]    : 「ワムウ……奴は戦闘者としてあまりにも純粋過ぎた…それが弱さに繋がったのだ!」

「残るはこのカーズ1人か…だが!」

[メイン3]    : 「頂点に立つ者は…常に1人!」

[メイン3]    : 「決着の時だ!カーズ!!!」
「一気に行くぜ!シーザー!!!!」

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    :  

[メイン3]    : 「どんな手を使おうが…」
「最終的に…勝てば良かろうなのだぁぁぁ!!!」

[メイン3]    : 「…………シィィィィザァァァ!!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「なッ…!!よせ!ジョジョッ!!」

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3]   : 「カーズを……倒せたんだな…シーザー………」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「ジョジョ!しっかりしろッ!ジョジョォォ!!!」
波紋を流すが…鼓動は…息はどんどん弱くなっていく…

[メイン3]   : 「これで……因縁に決着は………」



「つい…たな………」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「ジョジョ!!気をしっかり持て!!ジョジョ!!!」

[メイン3]   : 「シーザー…………」



「…………………………」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「う……うぉぉぉぉぉぉぉ………ッ!!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「ジョジョオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

[メイン3] :  

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3]   : ─────SPW財団──────

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……どうもです」

[メイン3]   : 「シーザー……」
「…ジョジョの件は………色々と残念だった…だが……」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「………………………」
「分かっています……それでご用件、というのは」

[メイン3]   : 「あぁ、そうだったね………聖なる遺体は知っているかね?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「聖なる遺体…?なんですか、それは…」

[メイン3]   : 「……その遺体とやらは朽ち果てる事無く存在し続け……」
「所有する国は1000年間の栄光と繁栄が約束されるといわれている物だ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「………まさか!」


ふと過る。まだ…あの因縁は…終わってないとしたら…

[メイン3]   : 「それが…調査をしても何も分からないものと来た」
「その可能性もなくは無いのだが……」

[メイン3]   : 「とにかくだ、回収をして欲しい…シーザー」
「その聖なる遺体で…皆が、世界が不幸に陥る前に」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……分かりました。早速向かう事にします」

ジョジョ………お前が居なくても…俺1人でもなんとかしてやる
もし『因縁』が終わってないとしたら……俺が今度こそ終わらせてやる

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] _ :

[メイン3] _ :

[メイン3] _ : 「……あァ?何だそりゃお頭」

[メイン3] : 甲板のドアの開く音。
新聞配達のカモメが雲の向こうに消える。

[メイン3] _ : 「いや…珍しくメシの時間になっても現れねェもんだから」
「おれァてっきりお頭が海にでも落ちたんじゃねェかと思って心配したんだぜ」

[メイン3] : そう言って高笑いし、お頭と呼ばれた赤髪の男の持つ記事を覗き込む。

[メイン3] _ : 「遺体ィ?また誰か死んだのか?」

[メイン3] : どうやら食後らしいにも関わらず、手に持っていた骨付き肉を口いっぱいに頬張る。

[メイン3] : ≪不思議な能力に目覚めた≫≪半身不随が治った≫
……やら、俄かには信じがたい文字が記事の上で踊っている。

[メイン3] _ : 「『奇跡を起こす遺体』……おう待て、今更失ったそいつが惜しくなったなんて言わねェよな」

[メイン3] : 呼びかけられた男のマントの左袖が風ではためく。

[メイン3] : ……やがて男は興味を失ったように無造作に新聞を置くと、そのまま席を立つ。

[メイン3] _ : 「おい…冗談だろ、そう怒んなって……あ」

[メイン3] : ぶちりと肉を喰いちぎる音が響く。

[メイン3] _ : 「……そうだ。詫びってわけじゃねェが、その程度のお使いならおれ一人で構わねェぜ」
「なに、場所もここからそう遠くねェ。数日ありゃァカタも付く」

[メイン3] : くるくると持ち手の骨を回す。
奇妙なことに、そこに付随した肉は……先程から『まったく減っていない』ように見える。

[メイン3] _ : 「もしお頭がいらねェってんなら、適当な海賊にでも売りつけてしまうさ。いいだろ?」

[メイン3] : そう捲し立てておきながら、巨体の主がその時辿り着いていた考えは…ただ一つだった。

[メイン3] :

[メイン3] _ : ああ。その『遺体』とやら、一体

[メイン3] ラッキー・ルウ : ━━どんな『味』がすんのか、なァ?

[メイン3] ラッキー・ルウ :

[メイン3] ラッキー・ルウ :

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3]   : ここは陽も通さない場所、路地裏

[メイン3]   : そんな路地裏を、1人の青年が歩く。

[メイン3]   : 彼の目的は聖なる遺体の回収、ただそれだけであった

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「随分とまぁ…変な道を通った様だぜ…」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : この街…複雑だな…日の光すらない場所に来ちまったもんだ

[メイン3]   : 青年は歩く、因縁と関係があるものかもしれない遺体へと!

[メイン3] ウラヌス : 鎧と鎧がぶつかり合う無骨な鉄の音を響かせながら、ゆっくりと歩いて来る

[メイン3] ウラヌス : 「お前か、今回派遣されたスピードワゴン財団の犬は」

[メイン3] ウラヌス : 声をかけると同時、地面をうっすらと氷で覆えば──

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……ん?こんな路地裏に女1人で───」

[メイン3] ウラヌス : スピードスケートの容量で勢いよく滑走ッ!
そして、勢いを付け蹴りを放つッ!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「なっ!?」
速いッ!

咄嗟に、腕を使ってガードの構えへと入る

[メイン3] ウラヌス : 「……まあ、この程度は防ぐか」
ギシギシと足と腕で競り合う音を立てながら、ウラヌスは次の手を取る

[メイン3] ウラヌス : 弾頭の如く着弾した足を伝い、“ホワイトアルバム”を使用して多量の冷気を送り出す。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「おいお前!!俺を狙うなんて何が目───」
不味い!冷気の様なものが手を狙いに来た!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 足に波紋を流し、流したエネルギーによって後ろへと飛ぶ。

[メイン3] ウラヌス : 「……ほう」

[メイン3] ウラヌス : 「“波紋使い”か」

[メイン3] ウラヌス : 先程までシーザーが立っていた位置へと、透き通るような氷塊を作りながら、冷たく呟きを残す

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「波紋の事を知っているだと…それに…あの冷気…」
「まさかッ!リサリサ先生から聞いたことがある…」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「冷気を使う吸血鬼もいる事を!」

[メイン3] ウラヌス : 答えも返さず、滑走を開始

[メイン3] ウラヌス : サッカーのスライディングの様な形で、地面を削りながら突き進む

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「コォォォォォォ……」
呼吸を再度整え、構える。

[メイン3] ウラヌス : その勢いは1cm近づく度に加速して
最後には弾丸と見紛うスピードでシーザーへと突撃した

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「波紋を帯びた…このシャボン玉は割れることなし!」
「それに高速回転を加え…円盤状に変化させた…」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「喰らえッ!シャボンカッター!」

[メイン3] ウラヌス : ため息のように冷気を吐くと…

[メイン3] ウラヌス : 「ホワイトアルバム、面倒だ。氷結させろッ!!」

[メイン3] ウラヌス : 勢いよく迫る虹色の反射を持った不透明な刃の群れ、勢いよく氷の鎧を削るかと思えば──

[メイン3] ウラヌス : 接触以前、近づいただけで凍りつき
地面へ落下してオブジェに変わる

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「なにっ!?」
いとも容易く…俺のシャボン玉が凍っただと!?

[メイン3] ウラヌス : 全く勢いを緩めず、同様の隙間を縫った様に
滑りながら逆立ちの姿勢に変わると…

[メイン3] ウラヌス : そのまま回転蹴りをシーザーの顔面に放つ
挙句、冷気全開。目鼻も凍りつかせようと、唸りをあげて蹴りが襲いかかる

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : …避けられねえ!
右手で蹴りを受け止めようとする

[メイン3] ウラヌス : 破裂した様な音が鳴り、ウラヌスの足とシーザーの腕が激突を起こす

[メイン3] ウラヌス : そして…

[メイン3] ウラヌス : 案の定、全てを凍らせようと冷気が唸りを上げる──が

[メイン3] ウラヌス : 重要なのはそこではない

[メイン3] ウラヌス : ウラヌスは背面を見せているのに、そちらへ向かい”呼吸“をする様な音が、シーザーの耳へ届く

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「ぐっ…………」
右手が…粉砕骨折をした様な悲鳴をあげる。
だが──痛みに悶えてる場合ではないことはオレ自身がわかっている

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : そして…微かにだが聞こえる…奴の呼吸の音だ…
全身に纏いながらも…何処かに穴が有る…!

[メイン3] ウラヌス : “呼吸穴”
元来、魔星は死人。呼吸は必要ない、が──

[メイン3] ウラヌス : 本来の持ち主の物を、そのまま借用した傲慢が仇になる

[メイン3] ウラヌス : 無敵の氷結の鎧には、うなじの部分にポッカリと穴が空いていた

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : ふと一瞬で凍ったシャボン玉を見て……
左手でクラッカーを取り出し…波紋を流す

[メイン3] ウラヌス : 「フン、劣等種が小細工を──ッ!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : そしてそのクラッカーを…
シャボン玉へと投げ付けた!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「小細工かどうかは…やってみねぇと分からねえぜ!」

[メイン3] ウラヌス : 先程までの攻防で、シーザーを雑魚と侮ったのか。なんの対応もせずクラッカーを見逃す

[メイン3]   : 凍ったシャボン玉に当たり…砕け…
中へと浸透させていた波紋が…クラッカーに纏った波紋とぶつかり…
その勢いでウラヌスの背後へと迫る!

[メイン3] ウラヌス : グサリ

[メイン3] ウラヌス : 呼吸穴から、氷結したシャボンのカケラが突き刺さり、挙句溜め込まれた波紋が牙を剥く

[メイン3] ウラヌス : 「ガッ… アァァァ!?」

[メイン3] ウラヌス : 「貴様、何を……!? ッッッッッッ!!!!」
生暖かい、血が流れている、この私の血が??????

[メイン3] ウラヌス : ふざけるな、人間如き劣等種が
高き門を超えた私を、生まれながらの超越種の私を──ッッ!!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…今だッ!」
怯んだ隙に──奴に…波紋を流し込む!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「うおおおおおおおおおっ!!!!」

[メイン3] ウラヌス : 安く、高すぎるプライドと、歪んだ倫理が怒りと共に魂の出力を向上させる

[メイン3] ウラヌス : 波紋を流す為、眼前に迫るシーザーを見ながら、ウラヌスは怒りの一色で視界を染めながら待ち構える

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「────なんてなっ!」
右脚でウラヌスの身体を蹴り、それと同時に左手を使い、波紋を纏った大きなシャボン玉を形成し
奴を大きなシャボン玉へと閉じ込める!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「拘束させてもらうぜ…中にはたっぷりの波紋だ…」
「シャボン玉を凍らせて抜け出す事もできまい」

[メイン3] ウラヌス : 揺らぐと同時、波紋に満ちた、不透明の牢獄に囚われる

[メイン3] ウラヌス : 「……貴様、この私を」

[メイン3] ウラヌス : 頂点に達する怒りと同時に、ハイボルテージでスタンド能力を解放する

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……なんだっ!?」

[メイン3] ウラヌス : 一切合切全て凍りつかせる不可視の凍結気
波紋に焼かれながら、怒りの暴走は留まらず

[メイン3] ウラヌス : 一転、波紋の牢獄を凍りつかせ──

[メイン3] ウラヌス : 更に、更にと力を上げ、遂には元シャボン、現氷の檻を砂の様に解けさせた

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「馬鹿な!…そう簡単に破れるはずは……」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 規格以上のバケモンだぜ…コイツは

[メイン3] ウラヌス : 理屈としては単純だ、シャボンの強度を保証するのは“波紋”

[メイン3] ウラヌス : なら、波紋が流れない様になれば…
生命エネルギーの流れる余地のない。極寒と化せば

[メイン3] ウラヌス : 「貴様のシャボンは、薄氷になる──ッ!!さあ、血で償え、貴様の愚かさをなァァァ!!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 波紋を受けながらも…なお…ただのダメージとなっているこの現状を見るに…


「どうやらお前は…吸血鬼じゃないな……!」
即座に取る!猫足立の構え!

[メイン3] ウラヌス : 「あまつさえ、この天種の私を”吸血鬼“などと見紛えるとは……!!」
「もはや、もはや一刻足りとも──ッ!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : ──────来るッ!

[メイン3] ???? : 『待て、氷結姫』
ウラヌスの脳裏に、深い声が残る

[メイン3] ???? : 『ここで、下手に仕掛けるのは悪手だろうよ』
『まずは、己の札を整理するところから始めるべきだな』

[メイン3] ???? : 『感情の変換効率が思ったよりも悪い』
『激昂すればこなせる、というわけでもない様だ』

[メイン3] ???? : ウラヌスへの助言もそこそこに、考察に入りながら交信を終え

[メイン3] ウラヌス : 場には、カケラばかりの理性を残したウラヌスが残る

[メイン3] ウラヌス : 「……御意」

[メイン3] ウラヌス : 勢いよく飛び上がり、ビルの上に着地する

[メイン3] ウラヌス : そして、上から見下ろすと──

[メイン3] ウラヌス : 「覚えておけ、貴様の犯した罪は必ず償わせてやる──ッ!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「──勘弁してもらいたいもんだぜ…!」

[メイン3] ウラヌス : そのまま、暗闇を青い影が裂き何処かへ消えていった

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………………ふぅ」
猫足立を解除し、地面へと座り込み

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 左手で粉砕骨折した右手を…治癒する

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「あの冷気は──厄介すぎる相手だな……」
治療中に一言、小言を漏らした

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] 千代田 桃 : ぶるり、体が冷えて。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……っ、ここは…」

[メイン3] 千代田 桃 : 辺りを見回すと、公園に私の身があった。

[メイン3] シャドウミストレス : 「…あ、起きましたか…!」

[メイン3] 千代田 桃 : 体は…地面に横渡っておらず。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……あんたが?」

[メイン3] 千代田 桃 : ちらり、自らの写し鏡へと目線をやる。

[メイン3] シャドウミストレス : 「あ、いえ……先ほどの方が、ここまで運んでくれたようで…」

[メイン3] シャドウミストレス : べンチに、同じように腰かけて。
桃へと話をする。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……あの子が、ね」

[メイン3] 千代田 桃 : 『”自己否定”してちゃ、生きずらいだろ?』

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] 千代田 桃 : 彼女の声を、思い出して。
思考に、暗雲が立ち込める。

[メイン3] シャドウミストレス : 「……あの……やっぱり、やめませんか…?」
「他人を傷つけるやり方なんて、こんな……」

[メイン3] 千代田 桃 : 「…ッ」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……うるさい…!」

[メイン3] 千代田 桃 : げし、とスタンドへと蹴りを入れる。

[メイン3] 千代田 桃 : 何度も、何度も。

[メイン3] 千代田 桃 : 「ッ、ぅうう…グッ」

[メイン3] 千代田 桃 : そのダメージは、勿論自らへと変換されて。

[メイン3] 千代田 桃 : 自らを傷つけているのにもかかわらず、その足は…動き。

[メイン3] シャドウミストレス : スタンド本体はただ、そんな彼女を見つめていた。
悲しげに。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……次は、殺す。殺して…みせる…」

[メイン3] 千代田 桃 : 「ぐ、ぅ」

[メイン3] 千代田 桃 : 「…力を……使え」

[メイン3] シャドウミストレス : ……その”命令”に、ただ潤んだ目は変わらず。

[メイン3] シャドウミストレス : 影を本体へと、憑りつけた。

[メイン3] 千代田 桃 : 自己否定、自分の負け……

[メイン3] 千代田 桃 : ……次は、それすらも……捻じ曲げて…やる…

[メイン3] 千代田 桃 : ゆらり、その影は次の”敵”へと動き出した。

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 : ……目に点る、”生命”のありか。

[メイン3] 千代田 桃 : 生命エネルギーの熱、それが一層強い者へと…導かれるように。

[メイン3] 千代田 桃 : その者に勝つことが出来れば、私は”私の力”を証明できるはず、だから。

[メイン3] 千代田 桃 : ……そして。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……あなたは、”遺体”を求めてる?」

[メイン3] 千代田 桃 : 自らよりも、大きなその男へと、目をやる。

[メイン3] 千代田 桃 : 生命の点りが他よりもいっそう大きな、その大男。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 腕を完治し、その場に座り込む
そんなおれに声を掛けてくる少女が居た。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : その場で立ち上がり…
「──遺体を知っている様な口振りだな、お嬢さん」

[メイン3] 千代田 桃 : 「…勿論」

[メイン3] 千代田 桃 : 「知ってるから、尋ねたの」
近くにあった、室外機を……

[メイン3] 千代田 桃 : 引っこ抜き、力任せにブン投げる。

[メイン3] シャドウミストレス : そんな様子を、おろおろと後方で見る少女一人。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「うおっ──ッ!」
あんな力も無さそうな身体をしつつ室外機を投げてきた事に驚きつつも…避ける

[メイン3] 千代田 桃 : 「……へえ」

[メイン3] 千代田 桃 : 投げたソレは、空を舞い。

[メイン3] 千代田 桃 : あらぬところへと、物音を立てて壊れる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「おいおいなんだなんだ!やる気かよ!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ああ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……………」

[メイン3] 千代田 桃 : 「そうだよ、私は力のために……”友”のために、遺体を手に入れる」

[メイン3] 千代田 桃 : 「…あなただって、必要…なんでしょう?」

[メイン3] 千代田 桃 : 今度は。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「──上等だ!相手になってやる!」

[メイン3] 千代田 桃 : ビル自体に。

[メイン3] 千代田 桃 : 手を突っ込んで。

[メイン3] 千代田 桃 : それを軽々と引き抜く、その力のままに。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「コォォォォォォ………」
呼吸を整え。身構える

[メイン3] 千代田 桃 : 「あなただって…何か理由があって、求めてるんでしょ」

[メイン3] 千代田 桃 : そのまま、ビルを……

[メイン3] 千代田 桃 : 目の前の男へと、”落とす”

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 手を合わせ、自身より大きなシャボン玉を作り──
そこに自身の波紋を流し込み、強度を高める…

[メイン3] 千代田 桃 : 「……?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「シャボン・バリアーッ!」

[メイン3] 千代田 桃 : シャボン玉…?あれが、スタンド……?

[メイン3] 千代田 桃 : …貧弱そうに見えるけど、これを落とせば────分かるッ!

[メイン3] 千代田 桃 : そのまま、勢いは落ちることなく。

[メイン3] 千代田 桃 : シャボン事……潰さんと倒れる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : ビルをまともに受ける──

[メイン3]   : 瓦礫と化した辺り一面には
男が1人…倒れる事もなく立っていた!

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] 千代田 桃 : たらり、汗が流れる。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……それが、あなたの…能力ってわけ?」

[メイン3] 千代田 桃 : 自らの力を込めた、その倒壊…

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「能力……?これは波紋法って言ってだな…」

[メイン3] 千代田 桃 : だったが、その男はただ立っている。
ダメージもないように、話していて。

[メイン3] 千代田 桃 : 「…波紋、知らない言葉だけど…」

[メイン3] 千代田 桃 : 「ぶつけ合うには、良さそうな能力だね!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「とにかく──だ、やめときな…嬢ちゃん」
「あんたのその力は何処もかしこもぶっ壊す為のもんじゃないだろ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「──話も聞かないのかよッ!」

[メイン3] 千代田 桃 : 少し口角が上がり…姿勢を正そうとした時。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ぶっ壊すものじゃ、ない?」

[メイン3] 千代田 桃 : ぴたり、足が止まる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 止まった、のか
──構えは解かず

「そうだろうがよ、そんな力があって…」

[メイン3] シャドウミストレス : その言葉に…もう一人の少女も、大男へと目線をやる。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「守る為のもんじゃねえのかよ」

[メイン3] 千代田 桃 : 攻撃の構えは……”取らない”。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ッ」

[メイン3] 千代田 桃 : たッ、と足を蹴り────

[メイン3] 千代田 桃 : ────気づけば、シーザーの目の前へと移動しており。

[メイン3] 千代田 桃 : 「守れなかった…んだよ!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「私が弱いから────」

[メイン3] 千代田 桃 : 「”友”を守れなかったんだ…ッ!」

[メイン3] 千代田 桃 : その、どこに向けているかもわからない怒りを握りしめ。

[メイン3] 千代田 桃 : そのまま、シーザーの腹へ、一発。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 寸前の所でかわすことも出来た……その攻撃を
そのまま受ける。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……な」

[メイン3]   : ドゴォォォォンン

[メイン3] 千代田 桃 : 今の動き……

[メイン3] 千代田 桃 : まるで、”躱そうとしたのに、わざと受けた”…?

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 瓦礫と砂利が混じった中で…立ち上がる。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……手、抜いたの…?」

[メイン3] 千代田 桃 : ぎ、とその男を睨みつける。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「───いいか……嬢ちゃん」
「たとえ守れなかったからって…それだけの理由の為に」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ッ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「友の───想いまで穢すことは許さねえぜ!」

[メイン3] 千代田 桃 : その目を、見る。

[メイン3] 千代田 桃 : その目は、光に満ちて……
とても、輝いている、影を許さないようなその光。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……なんで、あなたに…そんなことが言えるの!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「私の、”友”を…知らないでしょう、あなたは!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………………」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「コォォォォォォ………」
呼吸を整え、波紋を…シャボン玉に込める。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ッ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……シャボン・ランチャーッ!」
──シャボン玉を放つ。

[メイン3]   : 狙うは───桃では無く。

[メイン3] 千代田 桃 : シャボン玉…どういう仕組みかわからないけど、攻撃にも転用できる……!?

[メイン3]   : 見えない。生命のような何かだ

[メイン3] 千代田 桃 : 当たるであろう、ものに、身構えていた…が。

[メイン3] 千代田 桃 : 「…な、…ッ…!?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………ッ……」
膝を突き…腰を落とす。

[メイン3] シャドウミストレス : 「────え」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「波紋ってのは…生命のエネルギーだ…」

[メイン3] シャドウミストレス : そのシャボンは、”常人”には捕らえられない速度で向かう。

[メイン3] 千代田 桃 : 「…な、にを…!?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「だから…おれは…生命に近い…波紋をそのシャボン玉に送り込んだ」

[メイン3] 千代田 桃 : ッ、ここから……向かっても…届かない…!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「………ぐっ……」
その場に───倒れ込む。

[メイン3] シャドウミストレス : そして…その泡が、体へと届き────

[メイン3] シャドウミストレス : ぱちん。

[メイン3] シャドウミストレス : 弾け、”生命”が流れ込んで行く。

[メイン3] 千代田 桃 : 「────ッ、ぅあァアアア!!!」

[メイン3] 千代田 桃 : その流れ込む、”生命”の力。

[メイン3] 千代田 桃 : 本体へと帰属していく痛みが、全身を駆け巡る。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……あ、な、たはっ……生命を、流し込んだ…のね」

[メイン3] 千代田 桃 : 全身を駆け巡る、”精神”を傷つけられたことによる…傷が。

[メイン3] 千代田 桃 : 桃の体を、立たせなくする。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「………はぁっ…はぁっ……」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 自身の傷を、波紋によって癒す。

[メイン3] 千代田 桃 : 「ッ、うぅ……」
倒れ込んでからも、恨めしそうにシーザーを睨む。

[メイン3] 千代田 桃 : …私が、負けた…ッ…
スタンドのせいで……足を引っ張られて、私は…私の力を…!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「確かに……お前の友は知らない……顔も見えない…だがな……!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] 千代田 桃 : ゆらり、その言葉を…聞く。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「そこに居る───『生命』はお前の為に泣いてるんだ……ッ!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……な…!?」

[メイン3] 千代田 桃 : ぐるり、と…スタンドへと、目を向ける。

[メイン3] シャドウミストレス : そこには、男の言う通り……ぽろぽろと、"泣きながら見つめる『生命』"が。

[メイン3] 千代田 桃 : 「─────ッ」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……な、んで…わかった、の…」

[メイン3] 千代田 桃 : 「…あなた、"スタンド"も見えていない、知らないみたいな…素振りだった、はず…ッ」

[メイン3] 千代田 桃 : その"事実"から目を逸らすように、言葉が漏れていく。

[メイン3] 千代田 桃 :              自分
それを確かめたくない、『スタンド』が嫌だと泣いていたことを。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「殴られる直前に……背後に命を感じ…」

「────その時にだ……想いを感じ取った…」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……想い…」

[メイン3] 千代田 桃 : ぼそり、呟き繰り返す。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「お前の友が残してくれた…想いを」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……と、も…」

[メイン3] 千代田 桃 : その言葉が、なんだか…”重い”ような言葉だった。

[メイン3] 千代田 桃 : ……あの時攻撃を受けたのも、そのためなら……

[メイン3] 千代田 桃 : じゃあ…

[メイン3] 千代田 桃 : 「…あなたにも、”友”が…いるの…?」

[メイン3] シャドウミストレス : ”友”は、自己は、ただ静かに二人を見つめる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「─────おれにも居る」
はっきりと答える

[メイン3] 千代田 桃 : 「………ッ」

[メイン3] 千代田 桃 : 「だから…私に、言った…の…?」

[メイン3] 千代田 桃 : ……この人の、”想い”が…”生命”が、そこにあるようだと感じ取れて。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………あぁ────」

[メイン3]   : そのまま、倒れ込むようにシーザーは気を失った。

[メイン3] 千代田 桃 : 「………」

[メイン3] 千代田 桃 : あの人にも”友”がいる。

[メイン3] 千代田 桃 : 私にも、勿論いた。

[メイン3] 千代田 桃 : あの時感じた無力を…二度と味わないように、と思っていたのに。

[メイン3] 千代田 桃 : ……あの人は、”友の想い”を受け継いで、貫いた。

[メイン3] 千代田 桃 : ”友の想い”を、この行為を踏みにじっているなら……それは……

[メイン3] 千代田 桃 : 「また…」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……私の、負け、か」

[メイン3] 千代田 桃 : そのまま、大の字に寝転がり。

[メイン3] 千代田 桃 : ……”生命”の強さ、その明かりを灯した……

[メイン3] 千代田 桃 : 『戦士』に、にこりと笑って。

[メイン3] 千代田 桃 : 意識が────

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 :  

[メイン3] 千代田 桃 : ────失われない。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……ん、あれ……?」

[メイン3] 千代田 桃 : むくり、起き上がると……その体は。

[メイン3] 千代田 桃 : 『前より身軽になっていた』。

[メイン3] 千代田 桃 : 「…あの攻撃を、食らったはず……なんで……」

[メイン3] シャドウミストレス : 「……『生命エネルギー』を流されたから…ですね」

[メイン3] シャドウミストレス : その後ろから、ゆっくりと近づく。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……シャドウミストレス」

[メイン3] シャドウミストレス : 「あんまり大きいエネルギーでしたから、体がビックリしちゃったみたいですけど…」

[メイン3] シャドウミストレス : 「でも、こうして怪我も癒えていますから!」

[メイン3] シャドウミストレス : ガッツポーズを取り、平気なように体を動かす。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] 千代田 桃 : 先ほどの戦闘の痛みや、シャドウミストレスを蹴った際の精神ダメージも消えている。

[メイン3] 千代田 桃 : ……これが、『生命の力』…

[メイン3] 千代田 桃 : ちらり、『戦士』へと目を向けて。

[メイン3] 千代田 桃 : 「……最初戦った子、あの子は……私をほったらかしにしなかったんだよね」

[メイン3] シャドウミストレス : 「…?ええ、そうですよ!ベンチまで運んでくれてました!」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……なら」

[メイン3] 千代田 桃 : 足を進め、ゆっくりと近づき……

[メイン3] 千代田 桃 : 自分の身長よりも大きい男を、軽々と持ち上げて。

[メイン3] 千代田 桃 : 「…同じように、しようか」

[メイン3] 千代田 桃 : そのまま、公園へと歩き出す────

[メイン3]   : 『友の───想いまで穢すことは許さねえぜ!』

[メイン3] 千代田 桃 : 「……」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……さっき、蹴ったでしょ、私」

[メイン3] シャドウミストレス : 「…え、ええ…」

[メイン3] シャドウミストレス : 恐る恐る、といったように声をかけ。

[メイン3] 千代田 桃 : 「その」

[メイン3] 千代田 桃 : 「……さっきはごめん」

[メイン3] 千代田 桃 : 顔を見ず。

[メイン3] 千代田 桃 : けれど声は届くように、掛けて。

[メイン3] シャドウミストレス : ぱぁ、と顔が輝いて。

[メイン3] シャドウミストレス : 「ふふ、気にしてませんから!」

[メイン3] シャドウミストレス : とびっきり、笑いながら彼女と連れ添った。

[メイン3] シャドウミストレス :  

[メイン3] シャドウミストレス :  

[メイン3] シャドウミストレス :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : っ……ここは……

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「───公園のベンチか………」
自身の体を波紋で癒す……

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………早く、遺体を回収しないとな」
男は歩き出す!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ :  

[メイン3] : しばらく歩いた先に────巨漢の男が倒れていた!

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…………なんだありゃ…」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「おい…しっかりしろ……大丈夫か?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 返事が無い…
仕方ねえぜ……

[メイン3] ラッキー・ルウ : …………

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「コォォォォォォ…………」
呼吸を整え……

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 波紋をその巨漢に流し込む!

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……あ゛…………が゛ッ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……おい、無事か?何があった」

[メイン3] ラッキー・ルウ : げほげほと咳き込み、やがてゆっくりとゴーグルを目の前の男に向ける。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……誰だ?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「───お節介焼きのスピードワゴン財団のものだ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……あァ」
呼称くらいは聞いたことがあった……あるいは、件の新聞でもその名を見かけたのかもしれない。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「違いねェ……行き倒れの野良海賊なんざまで保護してもらえるとはな」

[メイン3] ラッキー・ルウ : だっはっは、と乾いた笑い声を上げる

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「───海賊だと?……ここは地上だぜ」
「それをいうなら……山賊じゃねえのか?」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……可笑しいか? 飛行機だってずっと空の上に浮かんでるわけじゃねェだろ?」
「まァ……山賊と違って、おれたちは海でも山でも渡り歩ける……何より自由っ!てもんよ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……フッ……なるほどな」
「───じゃあな、俺は行くぜ、あばよ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……おうおう、待てよ。お前本当におれを助けるためだけに来たのか?」

[メイン3] ラッキー・ルウ : ゆっくりと重い腰を上げる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : ふと立ち止まる。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「通り道にアンタが倒れてたから助けてやった」
「ただ…それだけだ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……へェ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「そんじゃ……なんでわざわざこんな人通りの少ないところを……『たまたま』通ってたんだ?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「………海賊にこんな話をするのも野暮だが」
「おれが探してる『聖なる遺体』とやらはまだ俺の因縁が終わってない可能性もあるんだ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「だからそれを二度と悪用されないように………」
「俺が回収しに来たって事さ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……おい」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「お前、今……『聖なる遺体』つったか?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「あぁ…それがどうした?」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「…………はァ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「『餌場争い』じゃあなきゃ……お節介の恩くらいは返そうと思ったのによォ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「だったら……今ここで恩を返してもらうぜ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「あァ?」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「お前にも『遺体』を探してもらう」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「そんで、見つけたらむざむざお前に差し出せってか? 全く冗談が過ぎるぜ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「…俺はまだ…有るかも知れない『因縁』を終わらせる為に来た。」
「用は回収出来ようが遺体が消失しようがどうだっていいんだ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……おいおいおい」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……………………」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「おれァ別にそいつをどうこうするなんて言った覚えァ無ェぜ……」
「聞きゃあ、好きに願いを叶えてくれる代物だって……例えば、海を大陸をおれのものにしたりなんてなァ……!!」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「───好きにすればいいさ」
「お前の目的は……食う事なんだろう」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「…………」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「ちッ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 口の中の銃をがちゃ、と取り出して…懐に収め

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……裏切りも保証しねェぜ。海賊は海の天気と同じくらい移り気なんだ」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「ふん、………好きにしろ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「ああ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : のそり、とシーザーの後をついていく。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……こんなムサくて硬っ苦しい奴のお供なんて、まだ最初のガキに切り刻まれてた方がマシだったかもな」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……シーザーだ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「ルウだ。ラッキー・ルウ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 手に持った肉をがぶりと噛みちぎって。

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「短い間だが───よろしく頼むぜ、ルウ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……ふん。おれを従えていいのは、うちのお頭だけだぜ……シーザー」

[メイン3] シーザー・A・ツェペリ : 「……そうか、じゃあ行くぜ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「おうよ」

[メイン3]   : 男達は歩く。
────『聖なる遺体』を探して!

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3] 間宵 シグレ :  

[メイン3] 間宵 シグレ :  

[メイン3] 間宵 シグレ : 「はぁーあ」

[メイン3] 間宵 シグレ : ため息、そして見上げる

[メイン3] 間宵 シグレ : 「ここまでやった意味は無し、か」

[メイン3] 間宵 シグレ : 全身ボロボロ、血まみれの姿で

[メイン3] 間宵 シグレ : カンポットを一口、ぐびり

[メイン3] 間宵 シグレ : 「…よかったよ、アンダー・ワールドが使えるのが私だけで」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「私以外が私の道化具合を見たらそりゃあ笑えるだろうな」

[メイン3] 間宵 シグレ : クククと苦笑いしつつ

[メイン3] 間宵 シグレ : 「まぁ…とはいえ」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「他にも何かあるのかも、知らないからな」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「…今回は丸くおさまったにせよ、か」

[メイン3] アンダー・ワールド : 『次は助ケテ貰エナイカモダゾ』

[メイン3] 間宵 シグレ : 「いーよ」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「どうせ誰に何も言わず飛び出したしさ」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「最後には死ぬかもしれないが、いいさ」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「私は私の納得できる事をして、そう記録させる」

[メイン3] アンダー・ワールド : 『ソウカ…』

[メイン3] 間宵 シグレ : 「納得して死んだのなら、文句は言えないさ」

[メイン3] 間宵 シグレ : 改めてカンポットを口にして

[メイン3] 間宵 シグレ : 「さあ、行こう」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「また引かれるさ、もしかしたら…」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「少なくとも、生きてるうちは」

[メイン3] 間宵 シグレ : 「『運命』の中にいるんだから」

[メイン3] 間宵 シグレ : そう言って、町から出る車の中にシグレは座り

[メイン3] 間宵 シグレ : ただ、いつかのまたの時まで

[メイン3] 間宵 シグレ : その影は走り去っていった

[メイン3] 間宵 シグレ :  

[メイン3] 間宵 シグレ :  

[メイン3] ラッキー・ルウ :

[メイン3] ラッキー・ルウ :

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……ってもんよ。イヤ……だから持って帰れなかったのは悪ィって」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 照りつく日差しの甲板で手を振って弁明するゴーグルの巨体。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「まァ……でも収穫はあったぜ? カラカラになった遺体は干し葡萄の味がするとかよォ」
「いやマジだぜお頭、もうおれが全部食っちまったから二度と食えねェがな!」

[メイン3] ラッキー・ルウ : だっはっは、と船上に響く笑い声。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「あァ……それでよ、次の目的地だが……」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 新聞配達のカモメが雲の向こうから現れ、一枚の記事を落とす。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「……いや、なんでもねェ。知ってる名前がシャボン玉に乗ってやって来ただけさ」

[メイン3] ラッキー・ルウ : ぱさりと新聞を畳むと、豪快に肉をひと齧りして。

[メイン3] ラッキー・ルウ : 「━━てめェら!!出港だァ〜〜!!」

[メイン3] ラッキー・ルウ : 冒険は、一口大の奇跡なんてつまんねェ味で終わんねェだろ?

[メイン3] ラッキー・ルウ :

[メイン3] ラッキー・ルウ :